敦亀通信
石道寺の十一面観音のご利益
更新日:2017/09/19
9月18日月曜日、この日は前日の台風8号が日本列島を縦断し各地に大きな被害がありました。また、この日は敬老の日であり全国各地でお年寄りの方々に長寿をお祝いし色々な行事がありました。今年も、地区の敬老祝賀会が開催されました。私は町内の自治会長を仰せつかっているので午前中から準備作業などのお手伝いをいたしました。午後1時から敬老祝賀会が開催されます。祝賀会は午後3時半ごろ終了との事で、3時間ほど空白の時間が生じることになりました。貴重な3時間あまりをどのように使うか、考えた結果、観音様のことが心に浮かんできました。前日、書棚を整理していたところ以前呼んだことがある井上靖(著)の「星と祭り」という長編小説が出てきました。筋書きは前に読んでいるので長編とはいえ割と短時間で読むことができました。その中で滋賀県木ノ本町にある石道寺の十一面観音像が出てきます。井上靖氏は琵琶湖湖北周辺に数多く残っている十一面観音像についてこの小説の中で語っています。その中でも石道寺の十一面観音像については詳しく紹介しているのです。特に観音像のお顔が近在の村娘をモデルにしたのではないだろうか、と独特な見方をしています。よし、3時間の間にこの十一面観音様を見てこよう、ということになり妻と二人で高速道路を利用し木ノ本町を目指しました。石道寺は新緑や紅葉のときは周囲が素晴らしい景色になり観光客も多くなります。幸いシーズンオフということで拝観料300円を支払って見学するお客は我々2人と関西方面から来た孫連れの夫婦で計5人だけでした。早速観音堂に入りお姿を拝見しましたが、限りないやさしさと力強さを感じさせてくれる素晴らしい十一面観音像でありました。私は2度目の拝観でしたが何度見ても飽きることがないお姿です。できれば、観音像を眺めながらいつまでも座っていたいのですが、3時半には敬老祝賀会の会場に戻らなければなりません。このままでは祝賀会の後片付けに間に合わなくなりそうなので、短時間で拝観を終え帰りは高速道の制限速度を多少オーバー気味に走って帰りました。幸い事故は起こしませんでしたが、やってはいけないことをしたという自責の気持ちが生じてきました。普段は損得にうるさく交通違反やルール違反を度々犯している私のような者がこのように素直になるのも観音様のおかげでしょうか。
願わくは、このような気持ちをいつものようにすぐに忘れてしまうのではなく、長い時間持続できますようにお祈りする次第です。