敦亀通信

幸せな正月登山

更新日:2023/01/16

令和5年1月一四日、早朝5時、福井県側は時々雨の天候である。今日は琵琶湖 湖畔の山本山(324m)に行こうと滋賀県を目指した。R8を南下し、越前市からR365を経由し南越前町を通過した。朝飯をとっている時間が無かったのでローソンに立ち寄りドリンクとパンを買い、食べながらR365から木の芽峠、そして敦賀に着き元のR8を辿る。道路は雨も降っていなくて道も乾いている。今日の天気はこの付近が裏日本と表日本の気候の境界になっているようだ。いつもなら刀根集落から木ノ本に通ずる柳ケ瀬トンネルを経由するのであるが、今日はR8を南に下り、木ノ本の手前で琵琶湖方面に右折する。しばらく行くと山本山への分岐があり左折し朝日小学校の標識を見つけ部落へ入ってゆく。朝日小学校の裏手に朝日山神社山口がある。車を駐車して早速登り始めた。いつもの登山道を快適に登ってゆく。今日は体調も良く、途中の休憩地でも休まず一気に頂上まで登ってしまった。普通なら約50分ほどであるが35分で頂上に到着した。相方が今日は12時までに帰宅しなければならない、と言っていたので自然と速いピッチになったのだろう。頂上には誰も見当たらず琵琶湖、竹生島も見えている。さあこれからどうするか、ということで相方と相談である。このまま「湖の道」として賤ケ岳まで続いている山道を辿り、途中で右に下り登山口へ戻ってくる案、登ってきた道をそのまま折り返す案、頂上から左の方に下る道を辿る案から選ぶことになった。結局最後の案に決まり頂上から左の方に降りて行った。こちらの道も快適な道であるが、小雨が降り始めて来た。大分下った頃、墓地がある。時には墓参りの人たちに会うこともあるが今日は誰もいない。この付近も真宗系の檀家が多いのか、「南無阿弥陀仏」と彫られたお墓が多くある。お正月にお参りされたところが多いようだ。お墓にささげられたお花は、大変きれいであった。汗びっしょりになった私にお参りされた方々の崇高な気持ちが心地よく感じられた。相方が前回の山行のとき私に言った「お正月には先ず、ご先祖様へお墓参り、、、」という言葉を思い出した。私も1月1日に妻と一緒にお互いのご先祖様のお墓にお参りしているが、確かにいいことだ、と思った。墓苑を通り越す直前に相方が「ちょっとーこれなんやー」と大声で私を呼ぶ。すごいキノコを見つけたようだ。直径が60cm~70cmの大きな大木が根元から50cm位で切断されその根元に見たこともない程のヒラタケ(カンタケ)が拡がっている。欣喜雀躍という言葉を使いたくなる程のスケールであった。急いでザックからナイフを取り出しキノコの根元から丁寧に掘り起こす。重さもすごい、大きな袋でなければ入らない。相方が「写真は、、、、」と言った。喜び過ぎて写真を撮らなかったことを反省した。袋から一つの塊を取り出し木の根元において撮影したが、発見時の威容は見るべくもない。しかし二人とも幸福感に浸ったのである。お参りの方々はご先祖様が大事で我々のような獲物を探そうという不謹慎な人たちは居なかったのであろう。何はともあれ、自然の恵みを頂戴したので周囲にお祀りされている方々にもお礼を申し上げ意気揚々と帰途についたのでありました。