敦亀通信

SDGs

更新日:2023/02/28

2月の終わり、日曜日早朝5時過ぎNHK Eテレ心の時代~宗教・人生~アーカイブで「破壊された心の復興」を見ていた。戦火に破壊されたカンボジアの遺跡を修復する活動に日本の歴史学者が活動していることを伝えてくれる番組であった。その人の名は石澤良昭さん、(元)上智大学の学長を努められた方である。番組では石澤先生がカンボジアの若い人たちに同国の貴重な歴史遺物を保存する重要性を学術的な立場から教えると共に歴史遺物の発掘方法や保存方法も教える活動を紹介していた。その番組を見ていて気付くことがあった。今から6~7年前、私が入っている団体がカンボジアの小学校に図書館を建てる援助活動をしていて私も仲間と一緒にカンボジアに行った。現地ではカンボジアは私にとって見るもの聞くもの、おまけに食べるものも全て初めての体験であり、貴重な体験であった。そうした話の中に、ガイドからカンボジアに対する近隣諸国の支援活動に関する話があった。中国は大統領宮殿やそれに繋がる道路整備をしているという。カンボジアの政治は中国とのつながりが強いものがある、ということであった。そういえば外交・経済政策も中国寄りになっているようだ。韓国からの支援活動も積極的であった。その結果、カンボジアのインフラ面での投資活動にもかなり良い結果を出している、という話であった。我々日本人として当然のことであるが「日本からの援助活動は、、、?」と聞いてみた。ガイド氏曰く「アンコールワットの遺跡復活活動をやってくれている」とのことであった。これを聞いて、当時の私は「矢張り、日本人はダメだな、、、これでは何の見返りもない、、、、」と考え日本人であることをマイナスイメージに捉えたのである。しかし今はそのような考え方にプラスして「いやいや、日本人って素晴らしいな」という考え方の方が大きくなっている。今日の番組はカンボジアの若い人たちが石澤先生たちの活動から日本人の心を理解するとともに心から感謝している状況を静かに伝えていたのである。数年前まで日本の立場は、GNP世界第二位でエコノミック・アニマルと呼ばれ経済や効率偏重の人間性を揶揄されたこともある。しかし昨今の日本は様変わりしている。SDGs、経済だけでなく人間に不可欠な文化や教養の重要性も高まっている。この日の日経に「魚の放流が魚の資源を枯渇化している」との記事があった。日本各地の河川において魚の放流が盛んに行晴れているが放流を繰り返した場合、先ず放流魚以外の魚が、その川からいなくなり、次に放流魚同志の争いが生じ結果として放流した魚もいなくなる、といった現象が日本各地で生じているそうだ。現在、我々を取り巻く経済環境も効果や効率偏重になってくると様々な障害が起きている。経済活動も力を入れながら石澤先生のような活動にも大いに共鳴している昨今である。