敦亀通信

平泉寺校同窓生の詩

更新日:2017/11/06

 

大正生まれの俺達は 明治の親父に育てられ 忠君愛国そのままに お国のために働いて

みんなのために死んで行きゃ 日本男児の本懐と 覚悟を決めた同窓生

 

大正生まれの俺達は すべて戦争の只中で 戦いごとの尖兵は みな大正の俺達だ

終戦迎えたそのときは 西に東に駆け回り 苦しかったぞ同窓生

 

大正生まれの俺達は 再建日本の大仕事 政治経済教育と ただがむしゃらに五十年

泣きも笑いも出尽くして やっとふり向きゃ乱れ足 まだまだやらなきゃ同窓生

 

大正生まれの俺達は 喜寿になってもいい男 子供も今ではパパとなり 可愛い孫も育ってる

それでもまだまだ若造だ 米寿白寿が待っている 頑張ろうよ同窓生     平泉寺校 第9期 同窓会 永井禅峰

上の詩は20年ほど以前、友と一緒に山に登った帰途、平泉地区の公民館の入浴施設の待合室の壁に掲示されていたものです。読めば読むほど心が引き込まれ、その内容に強く共鳴したことを覚えています。平泉校とは旧平泉高等小学校のことであり、永井氏が同窓会で発表された詩であると思います。この詩の何に共鳴したか、ということが問題ですが、人間、年をとっても前向きで活き活きと生きてゆく心が素晴らしいと思ったわけです。一緒にこの詩を眺めた山の友達も昭和2年生まれであり当時70歳を超えていたと思いますが、私以上に感動していました。一方は老いの真ん中、もう一方はこれから老いへとむかっている最中です。2人とも、素晴らしい詩だ、これを見ただけでは、すぐに忘れ去るだろう。なんとかこの詩を書き留めておきたいと手帳にこの詩をメモしていたところ、奥から事務所の方が現れました。その方も永井氏と同じくらいのご年齢と思いますが、「よかったら、プリントされているものがありますよ。」といわれ、印刷されているものを頂きました。永井禅峰氏についても、消息をお聞きしたのですが生死については不明でした。今日ではおそらくご存命しているとは考えられません。あれからもう20数年が経過しました。一緒に詩を眺めた友人も数年前になくなりました。そして私も永井氏が詩の中で語っておられたような年代になりました。昨今、国際情勢では北朝鮮問題が心配であり、国内では経済や政治面で不安定な状況にあります。ときにはもう年だから、、、と心に感じ消極的になることも多々あります。しかし我々の先輩たちが社会のあちらこちらで頑張ってくれたことで今日の日本があり自分達もその恩恵を頂いているということを深く感謝しまだまだ元気に生きてゆきたいと思います。今、地球上に生きている人は皆、同窓生です。頑張ろうよ同窓生!