敦亀通信
越前ネコ騒動
更新日:2022/08/04
昔は怖いものとして地震、かみなり、火事、親父と定番商品でした。ここに紹介するお話は友人から聞いた話です。
ある日の夕暮れ、友人は車で、とある田舎道を走っていました。後、どれくらいで目的地へ着けるかな、、、と考えながらラジオから流れるポップスに耳を傾け快調に走っています。突然、眼前に黒い生き物のような物体が飛び込んだと感じました。「あっ、やった!ひいたかな、」急ブレーキをかけましたが、間に合いません。熊ほど大きくない、狸、いや、ひょっとすると犬、それともネコかな、、、?あの様子では恐らくダメだろうな、それにしても人間でなく良かった、、、と思いつつ、そのまま止まらずに運転を続けたそうです。生き物を轢いて、その後の状況も見ず運転を続けてしまったのですから立派な「ひき逃げ」といえるでしょう。良心的呵責を感じながらも、「今日は縁起が悪いなー、どうか成仏してくれますように、、、、」と念じながら、そのまま目的地へ急いだそうです。話はそこから急転回です。しばらく走っていると、車のバックミラーに何やら動くものが見えてきたといいます。「あれ、なんだろう、後続車両が追いついてきたかなと思いじっとバックミラーを見つめました。夕暮れが迫りはっきりとは判別できませんが、黒い塊です。それが始めは黒い点に過ぎませんでしたが、次第に速度を上げて彼の車をおいかけてきます。そして、益々近づき彼の車のすぐ後ろまで迫ってきました。「なんだ!これは、、、、?」ハンドルを強く握りしめ正体を見極めようとしました。物体は速度を落とさず、こんどは彼の車を追い越し始めました。こんなところで、誰が自分の車を追い越そうとしているのか、、と窓越しに横を見たところ、なんと大きな親ネコが子ネコをくわえて走っていたのです。親ネコは子猫をひき逃げした彼を怒っているように見えました。ここまできいて、私は「うそだろうー」と思いつつも、もうこれ以上、その話を聞き続けることが怖くてたまらない。おそらく恨みを抱いた親ネコの執念でしょうか、「わが子をひき逃げした車を必死に追いかけてくる親ネコ」です。げに恐ろしきものは「親ネコの執念」です。さて、その続きはどうなったのでしょうか?内心怖いくせに顔には出さず続きを聞きたがる人が多くいらっしゃいます。私も、そこのあなたも、平静を装い「それで、、、、どうなったの、?」と聞く私、まったく悪い性格です。彼はまじめな顔で、一拍おいた後「イヤね、よーく見たら、○○○のクルマが後ろから僕の車を追い抜いていったよ」まんまとやられました。巧妙な話にはまってしまった悔しさを覚えつつも、反面ほっとしました。「オレオレ詐欺」にだまされる人をみて、「何であんなに簡単に騙されるのだろう、オレは決してあんなことではだまされないぞ」と思っていましたが、そうした自信もなくなってしまいました。この話に多少は真実がありますが、他人を欺く嘘のオンパレードでしょう。ところで、皆さん車の運転は安全第一を心掛ける、若し不測の事故を起こしたり、運悪く事故に遭ったとしても、誠意と責任をもって対処いたしましょう。