敦亀通信

盛夏のキノコ

更新日:2017/08/22

この時分、山道を歩いていると道のあちこちに正体不明のキノコが顔を出しています。キノコを採るのは大好きですが、山道に生えているキノコは決して採らないことにしています。山道に生えているキノコは種類が無数にありキノコの解説書にも載っていないものが多いのです。外見が美味しそうに見える白一色の毒ツルタケ、鮮やかな色をもったテングタケ、地味でおちついた一見して食べられそうなカキシメジ、クサウラベニタケ、コレラタケなど恐ろしいキノコが数多くあります。

私の場合、生えている場所により樹上のキノコ、樹木の根っこに近いところに生えるキノコ、地面に生えているキノコの3つでおおよその分類をしています。樹上のキノコは秋から冬に多く見られ種類も少なくナメコ、ヒラタケ、ムキタケなど食べられるキノコが容易に見つかります。但し、ムキタケとよく似ているツキヨタケは毒キノコなのでとりません。木の根っこなどに生えるものはマイタケ、クリタケ、ナラタケなどがあり、これらも分かりやすいキノコといえるでしょう。但し、木の根っこに生えるものとしてクリタケに似た二ガクリタケも毒キノコなので採りません。盛夏真っ只中の今頃、樹の上や根っこに生えるものは少なく、殆んどが地面に生えているものであり種類も分からず正体不明なので採ることは一切しません。しかしウスヒラタケだけは別格です。冬にとれるヒラタケ(寒茸とよぶところもあります)の色は茶褐色に近いのですが、ウスヒラタケはもっと色が白っぽく肉厚も薄く香りはヒラタケと同様、シメジ特有のかぐわしさがあります。夏にキノコなんてあるはずがない、と思って登っているときに、このような盛夏のキノコは予期していなかった分、喜びもひとしおです。

ウスヒラタケはキノコの傘も薄くシメジ特有の弾力性もありません。まるで楚々とたたずむ女性の様なデリケートさをもっています。だから採る側も、そっとやさしく扱わねばなりません。一箇所でいっぱい採れるキノコと違い量もそんなに多くないのですが袋に入れて山頂まで持ち運びます。

山頂では涼しい木陰に移動しとりあえずビールです。私は下戸なのでノンアルコールですが、下界で味わうノンアルコールビールはアルコール分が入ってなくても最高のドリンクです。採ってきたウスヒラタケはハムや野菜と一緒にフライパンでいため美味しく頂きます。インスタントラーメンにも具として利用すれば単調な味に新鮮な風味を提供してくれます。暑さにあえぎながら、低い山を登り広葉樹の下でビールを飲み、木陰から流れ来る涼風を味わうのが私の小さな幸せ、そして来るべき秋を待ち紅葉とキノコ採りを夢見ています。

今日は私が普段採っているキノコについて書かせて頂きましたが私もキノコは初心者の域を出ていません、毒キノコには十分気をつけて下さい。キノコの図鑑で正しく知識を得るとともにキノコに詳しい人と一緒に楽しまれますようお願いいたします。

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