敦亀通信

永平寺祖師参拝登山

更新日:2019/11/15

 

11月9日(土)恒例の大仏寺山 祖師参拝登山の集いに友と参加した。今から700年以上前に永平寺開祖 道元禅師が京都から越前の国に来られた時、志比の庄にあった吉峰寺で修行され、その後、大仏寺山に永平寺の前身「大仏寺」を建立したといわれる。毎年11月に吉峰寺から祝山、仙尾山、大仏山、永平寺へと続く山岳縦走登山が永平寺門前の商店街主催で開催されている。集合場所は永平寺門前の第三駐車場でありそこからバスで吉峰寺に向かった。吉峰寺までは駐車場から20分ほど苦しい登りがあるのだが、今回は付近に熊が出たとのことでマイクロバスを利用して吉峰寺に向かった。全員集合したあと寺の境内で出発式を行った。先ず主催者側の挨拶があり、そのあと数名の雲水さんによる般若心経の読経、続いて消災妙吉祥陀羅尼を唱え安全を祈願した。登山の注意があり、3パーティに分け順次出発した。私と友は第3グループであった。歩き始めてすぐ山の坂道にさしかかったとき、前を行く初老のご婦人が石段を越えられなくて苦労している。必死に頑張るが無理なようだ。これでは今日の登山は出来ないだろうと思い、やんわりと「今日はやめたらどうですか?」ときいたが返答はない。遅れるわけには行かないので、そのままスルーし先行パーティのあとを追った。スタート段階にあのような状態になるのは本人として残念だろうと思うが、今日のコースは大変厳しいので途中のリタイヤは大事になるだろうと思う。スタートでのリタイヤは、むしろ不幸中の幸いかもしれない。私自身、今回の登山は3回目であるが、「厳しかった!」の一言に尽きる。祝山、仙尾山へと続く山道は直線的で急な階段の連続である。ロープ場が何箇所もあり休む場所もない。付近は紅葉の真っ盛りであるが、到底それを楽しむ心境にもなれない。なんとか先行グループの後を就いて行けたが、私のグループはかなり遅れて、当初決められたグループ分けは有名無実になってしまったようだ。仙尾山頂上を過ぎた広場で昼食となる。主催者が温かい即席のスープをサービスしている。いわし缶詰、同行の友がくれた三国名物の岡惣はんぺんでノンアルコールビールを飲む。小さなおむすび一個が今日の昼飯だ。苦しい登りの後だけに全て美味しい。天気も良い。すべてに感謝である。昼食を終え大仏寺山で道元様が最初に修行した庵といわれる場所で雲水さん達が「大悲心陀羅尼」を唱え参加者は焼香させていただいた。大仏寺を経て永平寺ダムを目指した。途中、下りの部分で急なところがあり警戒していたが、今回は安全に通過できた。途中、友がナメタケをみつけた。結構な良であった。ナラタケもあったので収穫した。途中、永平寺の雲水さん達の首座(リーダー)を勤めた若い雲水さん(飛騨のお寺の次男坊、Hさん)と色々話しをしながら下山した。収穫したナメタケ、ナラタケをさしあげた。仏教では三宝を敬えといわれている。三宝とは「佛法僧」である。さしあげたキノコは我々の僧に対するお布施ともいえようか。午後3時ごろ予定通り永平寺ダムに到着し今日の登山は終了した。

紅葉は今が盛り

 

大仏寺より白山をのぞむ