敦亀通信
春が来た!
更新日:2024/04/26
外に出ると木々は緑に百花繚乱、待ち焦がれた春爛漫です。
「天のまさに大任をこの人にくださんとするや、必ずまずその心志を苦しめ、その筋骨を労し、その体膚を餓えしめ、その身を空乏にし、行いにはその為すところを仏乱す」(『孟子』)
(訳)「天が人に重大な任務を与えようとするときには、必ずまずその人の精神を苦しめ、その筋骨を疲れさせ、その肉体を飢え苦しませ、その行動を失敗ばかりさせて、空回りするような大苦境に陥らせるものである。それは、天がその人のこころを鍛え、忍耐力を増大させ、大任を負わせるに足る人物に育てようとしているからである」
天は人に対し大仕事を任せるとき、必ず大苦境に陥らせる、逆境や試練は乗り越えられる人にしか訪れない…といわれます。しかし、私は必ずしもそうとは思いません。逆境も試練も、誰にでも生きている限り絶えず訪れると思っているからです。むしろ、この言葉は我々人間の力と勇気を元気づける応援歌ではないでしょうか。みんなそうだと思いますが、私にも数えきれないほどの多くの苦境がありそうしたものを越えてきました。若し、一つ一つの苦境を思い出し、人に話すと「なんだそんなことは誰にもあることで苦境じゃない」と軽くあしらわれるかもしれません。しかし当時の私にとっては一つ一つが重大な問題であった、と思っています。人間は忘れる動物であり今となっては人生の一コマを思い出すこともありません。しかし、これからも人生の旅路は続きます。どのような苦境が生じたとしても、私自身が活きている限り、それを超えて行けると確信しています。勿論、その折には「孟子」の応援歌も耳にしながら、自分の力だけでなく、みんなと協力して明るく強く生きて行きたいと願っています。
私は力だ。力の結晶だ。何ものにも打ち克つ力の結晶だ。だから何ものにも負けないのだ。 病にも 運命にも、否 あらゆるすべてのものに打ち克つ力だ。 そうだ!! 強い 強い 力の結晶だ。【力の誦句 中村天風】