敦亀通信

休眠していた慰謝料が活きた

更新日:2024/02/01

一昨年 10月の土曜日でした。社用で妻と一緒に福井から国道8号線を敦賀に向けて走っていました。福井市を過ぎる頃 信号待ちで停車していた時、突然後ろから追突されました。2人ともシートベルトをしていたので幸いにも目立った怪我は負いませんでした。しかし車は停止線から2~3m前に出てしまいました。幸いエンジンに異常がなかったので左右の安全を確かめながら左側の適当な空地へ移動させました。追突してきた車は石川NOの11tトラックでした。大きな車が追突してきたことに驚きながらも事故直後は気が動転し怖ろしいという感覚も消え失せていました。早速、警察に通報し近くに住んでいる娘にも連絡しました。後ろのトラック運転手は若い男性でした。もう一人男性の上司とみられる男が近づいてきてお詫びの言葉があるのかな、と思っていたのですが我々の無事を確かめた後、なんにも言わず離れてゆきました。こちらは憤慨いたしましたが,

こうした場合 下手に事故を起こした非を詫びる後日不利になると考えたのかもしれませ。警察が来たので事故検証が始まりました。警察の話では新入社員である加害者が運転するトラックとそれを見守る上司の運転する別のトラック追随し2台で走っていたそうです。おそらく新入社員の教育を兼ねて走行している際におきた事故と思われます。事故検証中にサイレンが鳴り響き警察から連絡を受けた救急車が到着しました。私達は怪我しなかったので辞退したのですが「一応精密検査をうけて下さい。」ということで近くの病院まで行くことになりました。娘も到着したので後の始末を依頼し生まれて始めて救急車に乗り病院に行きました。病院ではレントゲン撮影と診察を受けました。妻は首筋に若干の違和感があるので翌日も通院です。我々がの車は会社が契約しているリース車で20万キロ以上走行しているプリウスαでした。いつもの修理工場で修理を依頼しましたが後部座席と基底部分が大きく損傷し廃車せざるを得ないということでした。若し、後部座席に人が乗っていたらおそらく重大な事故になっていたことでしょう。後日、契約している相手方の保険組合から電話がありました。話によると我々の車は全損扱いであり我々が保険金を全額受け取ってもリース残金支払損害が発生することが分かりました。この車は会社名義であり会社としては大きな損害になり私としても会社に対し申し訳ない思いでした。修理工場で再生不能になったプリウスαと対面しこの車が我々の身代わりとなってくれたんだ、と思うと感謝の思いがこみ上げてきて心から手を合わせました。我々の治療費は保険会社が病院へ直接支払しましたが休業補償など慰謝料は2人合わせても到底、慰謝料とよべる額ではありません。おまけにこうしたやり取りは全て保険会社の渉外担当と私との間で顔の見えない電話でのやりとりでした。あまりにも事務的な態度にこちらも切れそうになり、それ以降、話し合いを拒否していました。保険会社としては結論が出ないまま交渉が中断していることに困ったようで新しい担当者が早急に結論を出したい旨の連絡が数回ありました。相手の理不尽な態度に対し当方のやるせない思いは変わらず今年も明けてしまいました。こうしたときに能登沖大地震が発生したのです。連日伝えられる罹災地での悲しいニュースを見聞するにつけ、わずかの慰謝料でも罹災者の皆様に対する募金活動に寄付させてもらえたら、と考えました。早速、保険会社に和解する旨連絡し振り込みをしてもらいました。わずかな金額ではありますが少しでも罹災地の皆様にお役に立つことができればと思っています。同時に私と妻が無事であったことにも感謝する毎日です。