敦亀通信
クスノキと二人
更新日:2023/07/05
今年はワラビが沢山採れた。ワラビは例年ならば岐阜の飛騨山地で採っているのだが、今年はいつも登っている滋賀県、余呉の山でよく採れる場所を見つけた。沢山採れたので、アクを抜いて冷蔵庫に保存しておいた。即席麵の具にしょうとしたが妻から「古すぎてダメになっている」との言葉。矢張り山菜は旬のものにかぎる、として処分することとした。昔はタラの芽、コシアブラもよく採った。子供たちもいて山菜とさつまいもピーマンなども一緒に天婦羅が美味しかった。今は妻と二人だけである。天婦羅も年を経た二人にとっては昔みたいに美味しく頂く楽しみもない。昔はすぐ近くの山へ行けばワラビがあちこちに生えていた。そういえば長女が生まれた日にワラビ取りに行っていた。帰宅して長女が生まれたと聞いて病院へ行った思い出がある。このとき山で10cm位の幼木があり、初めての子が授かる記念に持ち帰り裏庭に植えたのである。その木は成長を重ね今では直径40cm位、高さも2階建て我が家の屋根と同じ位に育っている。木の種類はクスノキと思われ秋には落葉が多く隣家にも迷惑をかけているようで気が気じゃない。我が家は借地に建っており、私たち2人が自宅に住めなくなったら原状復帰の状態で地主さんに返納しなければならない。この木の寿命もその時点で終了するのであろう。しかしクスノキはそんなことは微塵も感じさせない。共に生きている我々2人が元気でいることを感謝しながらクスノキからも元気を頂いている。時折、私も「これからも一緒に頑張ろうな」と声をかけている。