敦亀通信

秋の味覚おもてなし

更新日:2017/12/14

世間はもうすっかり冬化粧ですが、3週間ほどさかのぼりタートルクラブ恒例の秋の味覚プレゼントについてご報告いたします。日頃、多くのお客様にご愛顧を頂いているからといってはなんですが、いつも11月の勤労感謝の日をはさんで数日間、「秋の味覚おもてなし」としてお店の中で秋の果物であるりんご、柿、梨やキノコ汁を好きなだけ食べていただいています。今年は焼き芋も加わりましたが案外、これが好評でした。やはり焼き芋が焼きあがったときのあの美味しそうな香りは日本人であったら誰でもうれしいものでしょう。美味しいりんごを求めて私は家族と一緒に長野まで買い付けに行きます。甘みの豊富なシナノスイートや黄色が鮮やかなシナノゴールド、ちょっぴり酸味もきかしたサンフジなど信州はりんごの種類も豊富です。また一つ一つのサイズもおおぶりで中心部は蜜がいっぱい溢れているようです。10年以上前に近畿の山に友と一緒に登ったのですが、山のふもとがリンゴ園になっており、入園料を払ってりんごをもらって食べましたが、そのときの感想は矢張りこうして樹から直接採ったりんごの味は格別だ、大変喜んだのです。その後、しばらくして観光で長野へきた時試食用のりんごを頂きました。数切れのりんごを食べたとき、その味覚が数日前に美味しく食べた味をはるかに超えたものでした。青森をはじめ中部地方から東にゆけばどこででもりんごは手に入るのですが私にとっては「りんごは長野」というこだわりができてしまいました。このほかキノコ汁も出していますが、天然モノに勝るモノはありません。今、あちらこちらの山でとれるキノコはナメコとヒラタケです。私は休日にはよく山に登っていますが10月から2月ごろまではキノコを採ることが山の楽しみを増してくれます。美味しそうなナメコが見つかると私の心は幸福感で満たされます。ナメコはコナラの枯れかかっている樹木に群生します。店で売られている養殖ナメコとは同じものですが外観も味覚も全く別物に見えます。ヒラタケも同じような樹木に生えているのですが、こちらは樹木の高い部分に生えていることが多いようで簡単に採らせてはくれません。高いところに隆々と生えているキノコは難攻不落の要塞に立てこもっている強敵のように感じられます。そのような光景に出くわすと、こちらもフアイトが湧いてくるのです。ザックから小さなノコギリを出して近くの枯れ木を選び3~5mに切り枝別れしている部分をⅴ字にします。この棒でキノコをつついてやるのです。キノコをつつくと表現しましたが、できるだけ原型をとどめるために最初はやさしくつつくのです。これで降参しましたとすなおに落ちてくれば勝負はおしまいですが、しっかりと木に取り付いて離れようとしないものもあります。こうなると戦いは長期戦になりますが、それでも駄目なら力まかせにキノコを砕いてしまう場合もあります。こうなると結末はお互い不幸で、私の方は砕け散ったキノコを浮かべたキノコ汁を頂くことになり、ヒラタケの方でも美味しく食べられるキノコの本分を失うことになります。日露戦争で乃木大将とステッセル将軍の激戦は今も百数十年後の今も伝えられています。旅順開城後の水師営の会見は武士道精神と戦を離れた人間愛として多くの国民に歌われました。「水師営」その中で私の好きな部分をご紹介しましょう。

昨日(きのう)の敵は今日の友  語ることばも うちとけて  我はたたえつ かの防備  かれは称えつ わが武勇

いやはやキノコの話からとんだところに話が飛びました。

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これは山でみつけたナメコです。秋の味覚キャンペーンで美味しいキノコ汁ができました。